一昔前は大手企業や大型店舗しか開設していなかったウェブサイトも、今では地方の小さな店舗や飲食店も開設するようになりました。
また、ウェブサイトを利用してお金を稼ぐアフィリエイトや、プロブロガーのようにブログを運営する人も増え、個人でもウェブサイトを所有するケースが増えています。
レンタルサーバーが必要になるのは、基本的にウェブサイトやブログを作る場合になります。ただ、これらは目的によってどこに費用をかけるべきか変わるため、下記の例のように大まかなコンセプトを事前に考えておくことをおすすめします。
- 店舗オープンor会社設立⇒場所やメニュー・事業の紹介、デザイン性重視
- アフィリエイトやブログで稼ぐ⇒コストやスペックを重視
- 趣味の日記(ゲームの攻略情報まとめなど)を作る⇒手軽さと費用重視
個人的な趣味のブログを始める場合などは、無料ブログを利用した方が手軽で費用も0円~利用できます。ただ、金額の大小はさておき、稼ごうと思ってブログを始める場合は、規約の多い無料ブログより、自分でレンタルサーバーを借りて運営する方がいいでしょう。
ちなみに、月間10万PV程度のアクセスが集まらないうちは、レンタルサーバーのスペックを気にする必要はありません。それに、独自ドメインを取得しておけば、よりスペックの高いレンタルサーバーへの引っ越しも簡単にできるので、はじめはコスト重視でレンタルサーバーを選ぶのもいいでしょう。
なお、セキュリティも、今回紹介する大手レンタルサーバーを使えば、まず問題ありません。そもそも、多量のアクセスが集まるウェブサイトでないと、ハッキングなどをするメリットもないので、月間50万PVぐらいになるまでは、さほどセキュリティのことを気にする必要はないと考えています。
さて、ウェブサイトを運営する際の大まかな費用は下記のようになります。
- 年間費用:3,000円~23,000円
- 1月あたり:250円~2,000円
価格の内訳は下記の通りです。
- ドメイン代(年間):1円~3,000円
- サーバー代(年間):3,000円~20,000円(初年度)
.netや.com、.jpといったドメインにこだわり、レンタルサーバーの性能を重視しても、月額にすると2,000円程度でウェブサイトの運営は可能です。
さらに、初年度は1,500円~5,000円程度の初期費用もかかっているので、2年目以降はより安いコストで運用できます。
また、初期費用を0円とするキャンペーンが開催されることもあるので、タイミングによっては1,500円~5,000円の初期費用が無料になる場合もあります。
年間費用で考えると、125円~416.6円の違いですが、サービス利用料は安いに越したことはありません。
今回は、私が実際にウェブサイトやブログの運営で利用したことのある3社に絞って情報を比較します。というのも、正直なところ、使ったことのないレンタルサーバーの使用感や、コストパフォーマンスは分からないからです。
今回比較するレンタルサーバーは下記の3つです。
この記事をご覧の方は「独自ドメインは.jpが一番?|独自ドメインの選び方」も参考になります。
wpX Speed
・初期費用無料
・1時間2円・月額1,200円(税抜)~
・リソース使用量に応じて自動的に上位プランに移行し、
サイトのダウンを防ぐ「オートスケール設定」機能
・「ダッシュボードへの不正ログイン防止」機能
ご契約期間 | 初期費用 | ご利用料金 | 合計 |
---|---|---|---|
3ヶ月 | 5,000円 +消費税400円 |
(1,200円 +消費税96円)×3ヶ月 |
8,600円 (税込9,288円) |
6ヶ月 | 5,000円 +消費税400円 |
(1,100円 +消費税88円)×6ヶ月 |
11,600円 (税込12,528円) |
12ヶ月 | 5,000円 +消費税400円 |
(1,000円 +消費税80円)×12ヶ月 |
17,000円 (税込18,360円) |
wpX Speed の特徴は下記の通りです。
- ワードプレス専用のレンタルサーバー
- 大手レンタルサーバーの中で最も簡素な管理画面
- 初期費用がやや高い5,000円
ワードプレス専用のレンタルサーバー
wpX Speedの特徴は、ワードプレスでのウェブサイト作成に特化したレンタルサーバーであることでしょう。
最近では動的サイトの代表例であるワードプレスでウェブサイトが作成されることも多くなりました。が、表示スピードに重きを置いた静的サイト(HTMLサイト)も数多くあります。
ただ、これからウェブサイトやブログを作成するという方は、ワードプレスを利用すると便利ですし、会社などのコーポレートサイトに適したテーマも数多く配布されています。
ホームページ・ビルダーやSIRIUS(シリウス)のようなウェブサイト作成ツールを利用したい場合以外には、ワードプレス専用のレンタルサーバーであるwpX Speedも十分選択肢の一つになるでしょう。
現状私はワードプレスのみでウェブサイトを作成しているので、レンタルサーバーは、wpX Speed と姉妹サービスであるwpXクラウド のみ利用しています。
大手レンタルサーバーの中で最も簡素な管理画面
以前の記事「WordPressを利用するならwpX Speedがコスパ最強」でもスッキリした管理画面をおすすめの理由として挙げていました。
wpX Speedは、エックスサーバーやロリポップと比べても、ワードプレスに特化している分、スッキリして見やすい管理画面は扱いやすく便利です。
ワードプレスサイトの場合、ある程度初期設定を終えたら管理画面にはアクセスしなくなりますが、最も見やすくシンプルな管理画面がwpX Speedであることは間違いありません。
初期費用がやや高い5,000円
レンタルサーバーには、契約時にのみ必要な初期費用というものがありますが、wpX Speedはこの初期費用が5,000円と少々高い設定になっています。
ちなみに、エックスサーバーでは3,000円、ロリポップでは1,500円となっているので、初期費用無料キャンペーン以外ではどのレンタルサーバーを利用しても初期費用はかかります。
仮に1年間の費用として考えれば、5,000円の初期費用は1ヶ月あたり約416円なので、月額料金が1,080円から1,500円程度になるだけですが、初期費用5,000円と数字で見ると少し高く感じてしまいますね。
wpX Speed はワードプレスでブログを作成するなら1番おすすめできます。関連記事「ワードプレス初心者にもおすすめできるwpX Speedの特徴」
エックスサーバー
・月額900円(税抜)から、大容量200GBからの
高コストパフォーマンス
・安定のサーバー稼働率99.99%以上
・マルチドメイン・メールアドレス無制限!
・独自SSLが無料・無制限!
ご契約期間 | 初期費用 | ご利用料金 | 合計 |
---|---|---|---|
3ヶ月 | 3,000円 +消費税240円 |
(1,200円 +消費税96円)×3ヶ月 |
6,600円 (税込7,128円) |
6ヶ月 | 3,000円 +消費税240円 |
(1,100円 +消費税88円)×6ヶ月 |
9,600円 (税込10,368円) |
12ヶ月 | 3,000円 +消費税240円 |
(1,000円 +消費税80円)×12ヶ月 |
15,000円 (税込16,200円) |
エックスサーバー の特徴は下記の通りです。
- 何でもできてスペックも高いサーバー
- 管理画面がやや複雑
- ワードプレスのセキュリティに若干不安
何でもできてスペックも高いサーバー
エックスサーバーは、そのスペックの高さと汎用性から、おすすめのレンタルサーバーで1位となることも多いレンタルサーバーです。
wpX Speedで可能なワードプレスサイトの作成はもちろん、ホームページ・ビルダーやSIRIUS(シリウス)で作成したHTMLサイトの設置も可能です。
独自ドメインのメールアドレスとしての利用も可能ですし、ウェブサイトを複数同じレンタルサーバーで運用することもできます。
廉価プランのX10なら、初期費用も含め年間16,200円で利用できます。月額にすると1,350円です。
何でもできてサーバーのスペックも高く、価格も手ごろなレンタルサーバーとしても有名です。
管理画面がやや複雑
何でもできるレンタルサーバーである分、管理画面がどうしても複雑になってしまいます。
私は管理画面の操作に慣れるまで3営業日ほどかかってしまいましたが、初心者の方なら1週間~2週間ほど管理画面の操作を把握するのに必要になるかもしれません。
ただ、全ての機能を使わなければいけないわけではありませんから、目的の機能が使えるよう操作方法を覚えるだけでもいいと思います。
また、エックスサーバーを契約しておけば、運営するウェブサイトを増やしても新たにレンタルサーバーを契約する必要はないので、今後数年~十数年は利用すると思って、気長に操作方法を覚えていくのもいいでしょう。
やや複雑とはいえ、管理画面自体はスッキリしていて、余計な情報はないと感じています。
ワードプレスのセキュリティに若干不安
エックスサーバーのセキュリティには何の問題もないのですが、ワードプレスサイトのログインパスワードを自作する仕様になっていたのだけが不安な点です。
wpX Speedなら、パスワードは安全性の高い乱数で自動生成されますし、パスワードの変更もボタン操作一つで可能です。
しかし、エックスサーバーの場合は、ワードプレスサイトのログインパスワードを自分で作るので、突破されてしまわないか少々不安になることがありました。
特に危険なのがパスワードを使いまわしているような場合で、どこかからパスワード情報が漏れてしまい、芋づる式にセキュリティを突破されてしまう可能性もないとは言い切れません。
エックスサーバーでワードプレスサイトを運営する場合は、ログインパスワードの管理に十分注意するようにしましょう。
静的サイトの作成からワードプレスなどの動的サイトの作成まで、エックスサーバー なら1つの契約で全ての種類のウェブサイトを運営することができます。関連記事「エックスサーバー契約の目安となるPV(ページビュー)は?」
ロリポップ
初心者でも安心なレンタルサーバー。
最大400GB、100円(税抜)から。
ブログ、ショッピングカート、
ウェブメーラーなど多彩な機能!
オンラインマニュアルやライブチャットなど、
充実したサポートで初心者の方でも安心です。
プラン | 初期費用 | ご利用料金 (12ヶ月契約) |
合計 |
---|---|---|---|
エコノミー プラン |
1,500円 +消費税120円 |
(100円+消費税8円) ×12ヶ月 |
2,700円 (税込2,916円) |
ライト プラン |
1,500円 +消費税120円 |
(250円+消費税20円) ×12ヶ月 ※1ヶ月契約の場合 (300円+消費税24円) |
4,500円 (税込4,860円) |
スタンダード プラン |
1,500円 +消費税120円 |
(500円+消費税40円) ×12ヶ月 ※1ヶ月契約の場合 (600円+消費税48円) |
7,500円 (税込8,100円) |
エンタープライズ プラン |
3,000円 +消費税240円 |
(2,000円+消費税160円) ×12ヶ月 ※1ヶ月契約の場合 (2,300円+消費税184円) |
27,000円 (税込29,160円) |
ロリポップ! の特徴は下記の通りです。
- 大手レンタルサーバーの中で価格が最も安い
- 管理画面がやや使いづらい
- 月間10万PVを超えると価格優位性がなくなる
大手レンタルサーバーの中で価格が最も安い
ロリポップは大手レンタルサーバーの中で最も価格が安いのが特徴です。
年間費用を比較すると、wpX Speedで18,360円~、エックスサーバーで16,200円~の利用金額なのに対し、ロリポップは2,916円~の格安料金で利用できます(エコノミープラン)。
wpX SpeedやエックスサーバーのX10プラント同等となる、スタンダードプランでも、年間費用は初期費用込みで8,100円と、かなり安い価格帯で利用できます。
私が初めて利用したレンタルサーバーも、このロリポップ! です。
運営していたサイトの月間PVが10万を超えたあたりからスペックに問題を感じ、エックスサーバーやwpX Speedに引っ越ししましたが、店舗のホームページや会社のコーポレートサイトなど、アクセスがさほど多くないウェブサイトの運営なら、ロリポップで十分とも言えます。
仮にアクセス数が多くなってしまっても、最上位プランのエンタープライズプランが用意されているので、レンタルサーバーの引っ越しをしなくても大丈夫です。
- エコノミープラン 詳細はこちら 2,916円~
- ライトプラン 詳細はこちら 4,860円~
- スタンダードプラン 詳細はこちら 8,100円~
管理画面がやや使いづらい
ロリポップの管理画面はかなりごちゃごちゃしているので、お世辞にも使いやすいとは言えません。
私は初めて利用したレンタルサーバーがロリポップだったので、「まあ管理画面なんてこんなものかな」と思っていましたが、その後エックスサーバーやwpX Speedを利用して、ロリポップの管理画面がやや使いづらいことをはっきり認識しました。
慣れてしまえばどうってことはありませんが、慣れるまではやや使いづらい管理画面であることは否めません。
ロリポップの欠点とも言えるのが、管理画面の使いづらさでしょう。
月間10万PVを超えると価格優位性がなくなる
運営費用が安いロリポップですが、アクセス数の多いウェブサイトを運営する場合、スペック不足に陥る可能性があります。
私がウェブサイトを運営していたのは、「ライトプラン」でしたが、月間PVが10万を超えたあたりから、サーバースペックの不足を感じ始めました。
月間PVが15万を超えたあたりで、503エラーや504エラーが出るようになりました。ウェブサイトが表示されないのは、ユーザーエクスペリエンスに直結することで、SEO対策上も無視できない問題です。
レンタルサーバーをwpX Speedに変更すると、すぐに収まったので、レンタルサーバーのスペックはそこまで高くないというのが正直な使用感です。
また、ロリポップはエックスサーバーと同様に、ワードプレスサイトやHTMLサイトを複数運営することが可能です。
これらの全ての運営サイトのPVを合計した値でスペックの限界を超えるとエラーが出ます。複数のウェブサイトを運営する方は、自サイトのアクセス数に気を配っておいた方がいいかもいしれません。
ただ、月間10万PVは、よほどのことがないと達成できるPVではなく、店舗サイトやコーポレートサイトでは、まず達成できない数字になるでしょう。
アクセスを集めることがサイト運営の目的でない場合は、さほど気にする必要はないと言えます。
とにかく料金の安いレンタルサーバーを利用したいなら、ロリポップ! が1番おすすめのレンタルサーバーになります。関連記事「ロリポップで利用する独自ドメインのネームサーバー設定方法」
独自ドメインと利用料金について
レンタルサーバーを契約すると、無料でドメインを利用することもできますが、レンタルサーバーの引っ越しなどの可能性も考えると、独自ドメインを利用した方がいいでしょう。
独自ドメインはどの会社を利用してもさほど料金が変わらないので、好きな会社を利用するといいと思います。私はお名前.com を利用しています。エックスサーバーを利用する場合には[テキストドメイン]を利用するのもいいでしょう。
さて、独自ドメインについては「独自ドメインは.jpが一番?|独自ドメインの選び方」でも紹介していますが、ここでも簡単に紹介しておきます。
トップレベルドメインと利用料金
昨今のSEOでは、ほとんど効果がなくなってしまったトップレベルドメインですが、「.net」「.com」「.jp」のような一般的なドメインを利用した方が、サイトの信頼度が上がるのは今でも変わりません。
お名前.com での料金を参考までに紹介します。なお、ドメインの料金はセール期間などで変わることもあります。ただ、年間費用ですし、さほど高いものでもありませんから、必要な時に購入すればいいと思います。
- 「.net」700円/年間
- 「.com」1,200円/年間
- 「.jp」3,000円/年間
ちなみに、ドメインは携帯電話番号と同じような扱いなので、既に取得されているドメイン名は中古ドメイン市場で探す以外に利用方法はありません。例えば、「kakaku.com」のような既に取得されているドメインは購入できないのです。
また、コーポレートサイトの作成であれば、「.co.jp」3,780円が最もドメインオーソリティが高くなります。ただし、「.co.jp」は日本に登記されている企業(株式会社など)のみが取得可能で、1企業1ドメインとなっています。取得の際は、登記簿の提出も必要になります。
独自ドメインの取得にはお名前.com がおすすめです。費用が安く比較的信頼度の高いドメイン
トップレベルドメインほどではなくとも、それなりに利用頻度が高く、ユーザーが目にする機会の多いドメイン名で、かつ費用の安いドメインは下記のようになります。
- 「.site」30円/年間
- 「.info」100円/年間
- 「.biz」300円/年間
他にもありますが、比較的よく見かけるドメインはこの中のどれかであることが多いでしょう。アフィリエイトサイトなど、力を入れて作るならトップレベルドメインのどれかで作った方がいいですが、趣味のサイトなどなら安ければ安い方がいいでしょう。
個人的には「.site」が費用も安くおすすめです。ちなみに、ドメインの種類(.以下)は現状のSEO対策では全く関係ないと言ってもいいですが、訪問者からより信頼性を得られるのはトップレベルドメインであることも間違いないでしょう。
独自ドメインの取得にはお名前.com がおすすめです。終わりに
今回は3つのレンタルサーバーを紹介しました。私は実際に今回紹介した全てのレンタルサーバーでウェブサイトを作成した経験があります。
これからの時代、ウェブサイトは大企業だけのものではなく、個人や地元の店舗でも、所持しているのが当たり前の時代になっていきます。
さらに、SEO対策をはじめ、インターネットの世界は良くも悪くも早い者勝ちという傾向にあります。
まだ店舗や会社のウェブサイトを持っていないという方は、すぐにでも独自ドメインを取得し、レンタルサーバーを利用してウェブサイトを作成するといいでしょう。
初心者なら、独自ドメインはお名前.com 、レンタルサーバーはロリポップ! を利用すると、安くウェブサイトの運営ができるのでおすすめです。
最も安いレンタルサーバーはロリポップ
初心者でも安心なレンタルサーバー。
最大400GB、100円(税抜)から。
ブログ、ショッピングカート、
ウェブメーラーなど多彩な機能!
オンラインマニュアルやライブチャットなど、
充実したサポートで初心者の方でも安心です。
プラン | 初期費用 | ご利用料金 (12ヶ月契約) |
合計 |
---|---|---|---|
エコノミー プラン |
1,500円 +消費税120円 |
(100円+消費税8円) ×12ヶ月 |
2,700円 (税込2,916円) |
ライト プラン |
1,500円 +消費税120円 |
(250円+消費税20円) ×12ヶ月 ※1ヶ月契約の場合 (300円+消費税24円) |
4,500円 (税込4,860円) |
スタンダード プラン |
1,500円 +消費税120円 |
(500円+消費税40円) ×12ヶ月 ※1ヶ月契約の場合 (600円+消費税48円) |
7,500円 (税込8,100円) |
エンタープライズ プラン |
3,000円 +消費税240円 |
(2,000円+消費税160円) ×12ヶ月 ※1ヶ月契約の場合 (2,300円+消費税184円) |
27,000円 (税込29,160円) |